- Title:
- 加須の家
- Location:
- Kazoshi,Saitama, Japan
- Completion:
- April 2019
- Project Architect:
- 吉本 考臣、谷浦 修斗
- Structual Architect:
- CSA 佐久間 拓
- Build Contractor:
- 有限会社 さくら建設 桜井 猛
- Site Area:
- 154.16㎡
- Footprint:
- 56.57㎡
- Total Floor Area:
- 96.73㎡
- Stories:
- 3F
- Purpose:
- Architecture
- Concept:
- 敷地は埼玉県郊外の加須市東部に位置する三方を住宅に囲まれた閑静な住宅街にある。かつては 「埼玉一の米どころ」と言われていたが、高齢化に伴い農業を営んでいた人々は引退し土地を手放して近隣都市へと移住が進んでいる。一方で東京都心への通勤、通学圏内という事もあり、近年では若年層の家族が移住してくる地域でもある。住宅市場や交通利便性の観点から注目が集まり生産性を重視した開発が進んで行く中で周辺との関係性から目を背けた無機質で閉鎖的な住環境が生み出されている。我々はこの住宅の在り方や住まい手の生活を通して周辺住環境が再構築、あるいは再編集されていくのではないかと考えている。3つのボリュームが作り出すコンパクトな内部空間と外部空間を行き来しながら、家族同士や、家族と周辺住環境との新たなコミュニティスケールを生み出すことができたのではないかと思う。
今回、子供が一人で共働きという施主の家族環境から、みんなが集まる広いリビングやダイニングなどではなく、小さいけどたくさんの連続した居場所を内外に作ったことで、父と子、母と子という関係性が密になる。その別々の密な時間を家族皆で共有した時より良い時間となる。家族の密な新しい関係性が敷地全体、周辺住環境を親密なものに感じさせるきっかけとなり、この住宅のたくさんの小さな居場所は未来に機能すると考える。